港湾運送業

港のコンテナ

港湾運送事業は、陸と海とをつなぐいわば架け橋のような存在です。日本は四方を海に囲われた島国であり、港湾運送業も古くから活発で、航空技術が発達した現代においても、物流の要めのひとつであることは間違いないでしょう。

海の世界の特殊性については、既に幾度となく発信してきましたが、ここでは港湾運送業の全体像について、ざっくりと紹介していきたいと思います。

港湾運送業とは

港湾運送業とは、港湾を拠点とし、港での運送業務に特化した物流業のことです。このため、港湾物流業と呼ばれることもあります。具体的な業務の内容は、港における貨物の輸送、保管、荷役、荷さばき、分類、仕分け、包装および流通加工等を含む積卸し等です。

古くは人海戦術というべきバケツリレーのようなチームワークによって支えられてきましたが、機械化や情報化によってコンテナ輸送が発達したことで、より高い専門性を持つ中間物流事業として現在に至っています。

事業の種類

港湾において他人の需要に応じて以下の行為を行う事業を港湾運送業といいます。日本において港湾運送業を営業するためには、国土交通大臣の許可を受ける必要がありますが、労働者が港湾において労働を行う場合についても、港湾労働法により定められた港湾労働者証を携帯する必要があります。

  1. 一般港湾運送事業
  2. 港湾荷役事業
  3. はしけ運送事業
  4. いかだ運送事業
  5. 検数事業
  6. 鑑定事業
  7. 検量事業

一般港湾運送事業

港における船積・陸揚貨物の受渡しと、それに関わる船内荷役、はしけ運送、沿岸荷役およびいかだ運送を一貫して行い、港湾運送全体にわたってサービスを提供します。現代風に表現するのであれば、いわゆるプレイングマネージャーのようなポジションに相当する事業形態です。

港湾荷役事業

船内と沿岸の荷役作業を提供します。荷役とは、船舶への貨物の積み込み荷下ろし、あるいは上屋等への入庫・出庫を行う作業のことです。

はしけ運送事業

港湾内や指定区間をはしけにより輸送する事業です。はしけとは、港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶のことです。大型の船舶と陸との間を往復して貨物や乗客を運ぶ小型の船舶をイメージしていただければ伝わりやすいと思います。

いかだ運送事業

港湾内や指定区間において、おもに木材をいかだに組んで輸送する事業です。

検数事業

貨物の積卸しの際、個数を計算したり受渡しの証明を行う事業です。

鑑定事業

貨物の積付けや事故について証明、調査、鑑定を行う事業です。

検量事業

船積貨物の容積、重量の計算および証明を行う事業です。

港湾運送の作業形態

港湾運送の引き受け形態
出典元:国土交通省公式サイト

図解しているように、港湾運送業は海上運送と陸上運送の中間において物流を担当する事業形態です。担当する作業が、海上におけるものなのか、港湾におけるものなのか、陸上におけるものなのかの違いによって、取得すべき許可も手続きも異なってきますので、「どこで」「何を」「どうするか」については、明確に把握することが重要になります。

港湾運送事業の作業形態
出典元:国土交通省公式サイト

港湾運送関連事業

営利目的であるか非営利であるかを問わず、港湾において他人の需要に応じて以下の行為を行う事業を港湾運送関連事業といいます。これらの事業を営もうとする者は、港湾ごとに、あらかじめ国土交通大臣に届け出をするものとされています。

  • 船貨物の固縛事業
  • 船積貨物の梱包事業
  • 船倉内清掃事業
  • 港湾警備事業

船積貨物の固縛事業

港湾における船積貨物の位置の固定若しくは積載場所の区画を行う事業形態です。

船積貨物の梱包事業

港湾における船積貨物の荷造り・荷直しを行う事業形態です。

船倉内清掃事業

港湾において船舶からの貨物の取卸しに先行し若しくは後続する船倉の清掃を行う事業形態です。

港湾警備事業

港湾における船積貨物の警備を行う事業形態です。

まとめ

港湾という閉鎖的空間における事業であることや、特有の気風や慣習が存在することなどから、港湾運送業が一般的にはなかなか馴染みの少ない事業形態であることは間違いありません。

その一方で、物流というインフラを支える事業であることからも、過去、現在、そして将来に向けて、港湾運送業が担う社会的役割の重要性は変わることがありません。

時代が移り変わる中で、物流業も大きな転換期を迎えているように思います。温故知新は使い古された言葉ではありますが、今いちどご自身の事業を振り返ってみることも必要であるように思います。

当事務所は、港湾事業を積極的にサポートさせていただいております。私が持つ体育会系の気質は、港湾運送業にも馴染むものであると自負しています。港湾運送業に関する許認可の申請や届出をはじめ、船舶や船員の手続きに関するご相談も承っております。まずはどうぞお気軽にお問い合わせください。

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