屋形船営業│海事代理士の大阪屋形船紀行

屋形船から見た街並み
船上から見た天満橋周辺の街並み

添付する画像は、先日、大阪天満橋の屋形船に乗船した際に、その船上から撮影したものです。普段見慣れた大阪の街並みも、船の上から眺めてみると、風流というか幻想的というか、とにかく格別な趣があります。

ところで当事務所は海事代理士事務所ですので、屋形船営業に関するサポートも、しっかりと取扱業務に含まれております。そこで今回は、秋の夜長の非日常体験の余韻に浸りつつ、海事代理士的観点でもって、屋形船について語ってみたいと思います。

屋形船の営業形態

川から見た並木道の画像
神秘的にすら見える大阪の並木通り

屋形船が属する法律上の事業形態については、実はちょっとややこしいことになっています。海上運送事業という大きな括りの中の、海上運航事業(旅客船事業)であることは間違いありませんが、乗船する人数や航路、また、日程表(時刻表)に沿って運航するのかしないのか、乗船するのが特定の人なのか不特定多数なのか、営業の目的が何なのか、これら様々な要素によって、事業区分や必要となる手続きが変わってくるのです。

今回、我々が乗船した屋形船については、色々な要素を海事代理士なりに分析して検討したところ、旅客不定期航路事業に該当するものと結論づけました。この辺りの判断基準については、こちらでも軽く触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、今回は関係ありませんでしたが、屋形船で釣りを興じさせることは「遊漁」に該当し、併せて遊漁船業としての登録を受ける必要が生じます。

ね、ややこしいでしょ?

必要となる手続き

放物線を描く噴水の画像
もはや何もかもが絶景

先に述べたように、営業形態によってその手続きも大きく変わってきます。許可を受けなければならないケースもあれば、届出だけで済むケースもあります。友人数人を乗せるため、年1,2回程度自慢のクルーザーを出して、船上でお酒を楽しむような場合なんかは、許可も届出も不要です。この場合、もちろん金銭の受け渡しがあってはいけません。陸上でいうところの「白タク」に該当してしまいますのでご注意ください。

また、船上で飲食を提供する事業を営もうとする場合は、当然ながら飲食店の営業許可が必要になります。ちなみに旅客船事業に関する申請の代行は海事代理士の独占業務ですが、飲食店営業許可申請の代行は行政書士の独占業務となっています。この点、両者を保有する当事務所であれば、問題なくすべての手続きを完遂できますので、どうぞ安心してご利用ください。

なお、航路を利用するマナーとして、組合があれば組合に挨拶しておくことが慣例となっています。旧態然とした印象は受けますが、気持ち良く航路を利用するためには必要なことなのかもしれませんね。

必要となる資格

船上から見上げる天満橋のがそ
見事にライトアップされた天満橋

まずは当然ながら船舶免許の取得が大前提ですが、忘れてはいけないのが特定操縦免許の取得です。特定操縦免許は、自動車でいうところの二種免許に相当する免許ですので、乗客を乗せて航行するためには必ず必要になる免許です。こちらは小型旅客安全講習を受講することによって比較的簡単に取得することができます。また、総トン数20トン未満の船舶であれば小型船舶免許での操縦が可能ですが、それ以上の規模の船舶になると、操縦するためには海技免状が必要となります。

以上が操縦者に関する資格ですが、船舶は船舶で、ちゃんと登録を受けることが必要です。自動車免許があって、自動車があったとしても、そもそも登録を受けていない車両を、公道で走行させてはいけないことと扱いは同様です。

まとめ

天満橋を間近に見上げる船上の画像
ハイライト。天満橋をくぐり抜ける!

非日常の神秘を体験することができる屋形船は、同時に常に危険と隣り合わせの空間でもあります。それゆえに手続きも複雑なものが要求されますので、海の法令や手続きに精通していなければ、思うように計画が進行しないことも珍しいことではありません。ここは海と飲食が大好きな海事代理士に手続きを任せて、船上での演出や飲食メニューの開発に情熱を注ぐことをお薦めいたします。この記事をご覧になって屋形船にご興味を持たれた方は、ぜひ当事務所までご一報ください。

令和3年9月12日加筆

現在、コロナ禍のさなかにあって、このような酒席を設けることが出来なくなってしまいました。事業者の皆さま方におかれましても、まだまだ不安な日々が続いているものとお察しいたします。一刻も早くコロナとの戦いが集結するよう祈りを込めて加筆させていただきました。世界が平和でありますように。

海事代理士 阪本 光

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