通関業許可申請について

通関業務とは、ざっくり言えば、商品の輸出入を行う企業に代わって、税関官署へ申請し、配送の手配を行う業務です。この通関業を営もうとする際は、財務大臣に申請し、その許可を受ける必要があります。

本稿では、通関業をはじめようとする際に必要となる基礎知識と手続きについて詳しく解説していきたいと思います。

通関手続とは

通関手続とは、税関官署に対して行う以下の申告又は承認の申請からそれぞれの許可又は承認を得るまでの手続(関税の確定及び納付に関する手続を含む)をいいます。また、通関業務とは、他人の依頼によって、通関手続について代理又は代行をすることを指します。

  • 輸出(積戻しを含む)又は輸入の申告
  • 輸入の承認の申請
  • 本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機への船用品又は機用品の積込みの申告
  • 保税蔵置場、保税工場若しくは総合保税地域に外国貨物を置くこと、保税工場において外国貨物を保税作業に使用すること若しくは総合保税地域において外国貨物の積卸しや運搬等の行為をすることの承認の申請又は保税展示場に入れる外国貨物に係る申告
  • 保税展示場に入れる外国貨物に係る承認の申請

このほか、通関業者は、法律において業務を行うことが制限されている事項を除き、その関連業務として、通関業者の名称を用いて、他人の依頼に応じ、通関業務に先行し、後続し、その他通関業務に関連する以下のような業務を行うことができます。

  • 事前教示照会
  • 不開港出入許可申請
  • 外国貨物仮陸揚届
  • 見本一時持出許可申請
  • 保税地域許可申請
  • 外国貨物運送申告
  • 輸出差止申立又は輸入差止申立に対する意見書提出
  • 関税法その他関税に関する法令以外の法令の規定により輸出又は輸入に関して必要とする許可等の申請

通関業の許可

すでに説明したとおり、通関業を営もうとする者は、財務大臣の許可を受ける必要があります。通関業の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した許可申請書を財務大臣に提出し申請を行います。

  • 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその役員の氏名及び住所
  • 通関業務を行おうとする営業所の名称及び所在地
  • 営業所ごとの責任者の氏名及び通関士の数
  • 通関業務に係る取扱貨物が一定の種類のもののみに限られる場合には当該貨物の種類
  • 通関業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類

また、許可をする場合でも、財務大臣は、関税の申告納付その他貨物の通関に関する手続の適正かつ迅速な実施を確保するために必要な最少限度において、この許可に条件を付することができるものとされており、具体的には、貨物の限定又は期限の​​設定を条件とすることができます。

貨物の限定 ​

財務大臣は、申請者からの申請により、一定の種類の貨物の通関業務のみを営むことを許可の条件として付すことができます。これにより、通関士を設置する義務が免除されます。(後述)

許可の期限 ​​​

財務大臣は、必要と認められる場合には、許可の条件として有効期限を付すことができます。これは許可後においても同様の扱いとなります。許可期限の条件は、営業の状態等について追跡又は監視を必要とする場合に限り付され、その期限は、それぞれ次の期間が限度とされています。

通関業の許可を新規に行う場合3年
通関業者を監督処分に付した場合2年
許可の期間を延長する必要がある場合2年

許可の基準

  • 経営の基礎が確実であること(基礎財産的基準)
  • 許可申請者が、その人的構成に照らして、通関業務を適正に遂行することができる能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること(人的基準)
  • 要件を備える営業所を有すること(営業所基準)

通関業の許可を受けるためには、上の基準について、すべて適合していることが必要となります。

基礎財産的基準

収支の状況が健全であると認められることが必要になります。具体的には、申講者に繰越欠損金がなく、当期利益があって、かつ、通関業務を営むための必要な設備(後述)が整っていると認められることをいいます。 繰越欠損金が資本金の範囲内であり、直近2期の決算が黒字であって、今後の経営計画等により繰越欠損金の減少が見込まれる等税関長が特に支障がないと認めた場合には、「収支の状況が健全である」と認めて差し支えないものとされています。

また、申請者が新たに法人を設立した場合等であって、収支の状況を明らかにすることができない場合には、資金の額、経営計画書、親会社との連結決算の状況等により、今後の安定した経営が見込まれる場合に限り、「収支の状況が健全である」と認めて差し支えないものとされています。この場合においては、許可について期限を付するものとされています。

なお、通関業務を営むための必要な設備とは、予定される通関業務に係る取扱貨物の種類及び量に応じた営業所並びに通関書類等の作成及び保存に必要な設備のことを言います。

人的基準

  • 欠格事由に該当しないこと
  • 許可申請者、役員、通関士及びその他の通関業務の従業者が通関業に関し十分な知識及び経験を有していること
  • 管理監督体制が確立していること
  • 通関業務の種類及び量並びに通関士及びその他の通関業務の従業者の通関業務経験年数に照らし、通関士及びその他の通関業務の従業者の配置が適切に行われていること

人的基準は、許可申請者、役員及び通関士その他の従業者全体の人的資質に関して評価するほか、全体として、組織体制が確立しているかどうかの評価をも含みます。具体的には、上のすべての基準をクリアすることが要求されています。

欠格事由

申請者が、次のいずれかの事由に該当する場合は、通関業の許可を受けることはできません。

  • 心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者として財務省令で定めるもの
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁錮以上の刑に処せられた者であって、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過しないもの
  • 次に掲げる法律の規定に該当する違反行為をして罰金の刑に処せられた者又はこれらの規定に該当する違反行為をして関税法、国税通則法若しくは地方税法の規定により通告処分を受けた者であって、それぞれその刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から3年を経過しないもの
    • 関税法第108条の4から第112条まで(他の関税に関する法律において準用する場合を含む)の規定
    • 国税又は地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税又は地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、又はこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定
  • 通関業法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しないもの
  • 暴力団対策法の規定に違反し、又は刑法に規定する傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
  • 暴力団対策法に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
  • 通関業の許可を取り消された者又は通関業務に従事することを禁止された者であつて、これらの処分を受けた日から2年を経過しないもの
  • 公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分を受けた日から2年を経過しないもの
  • 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む)のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの
  • 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者

通関士の設置

通関業者は、通関業務を適正に行うため、その通関業務を行う営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならないものとされています。ただし、すでに説明したとおり、営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が一定の種類の貨物のみに限られている場合は、この義務はありません。

具体的には、営業所ごとに通関業務に従事する者10名につき1人以上の専任の通関士を設置する必要があります。

通関業者は、他人の依頼に応じて税関官署に提出する通関書類のうち、申告又は申請に係る申告書及び申請書、不服申立書、特例申告書、修正申告書及び更正請求書については、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名押印させなければならないものとされています。

社内管理規則

社内管理規則とは、許可申請者の実情に応じて法令の規定を遵守し通関業務を適正に遂行するために必要な事項が記載されたものを言います。人的基準のうち、管理監督体制が確立していることを証する書類として取り扱われます。具体的には、以下の事項を参考にしながら作成します。これらはあくまでも例示であって、必須のものではありません。

目的等

社内管理規則は、通関業務を適正に遂行するため、必要な措置を定めるために制定するものであることを明確にします。また、適正な通関業務を遂行するための基本方針及び適用範囲を定めます。

社内体制の構築

適正な通関業務を遂行するための責任体制を明確化するため、通関業務に係る社内体制、具体的な業務の内容、責任者及びその責任の範囲等を定めます。また、社内管理規則に関する事項を総括する組織(コンプライアンス委員会等) の設置についても定めます。

通関手続

適正な通関手続を行うため、通関書類の作成に際しての手法、手順及び留意すべき事項等を定めます。

監査

コンプライアンス委員会等による定期的かつ継続的な監査体制を確立し、監査事項及び手順並びに監査結果に関する対応措置等を定めます。

教育及び訓練

通関士及びその他の通関業務の従業者が常に高いコンプライアンス意識と通関業務に係る専門的知識を習得及び維持するため必要な教育及び訓練の実施方法等を定めます。

書類の保存

通関業法に基づく通関業務に関する書類のほか、通関業務が適正に遂行されていることを監査するうえで保存を要する書類及びその保存方法等を定めます。

顧客及び貨物管理者との関係

顧客及び貨物管理者(顧客等)との適正な関係を保持するため、顧客等の情報、通関依頼の内容等の把握及びその情報の管理方法等を定めます。

税関との関係等

税関への通報体制及び税関の審査・検査への対応方法等を定めます。

報告及び危機管理

事故発生時の社内における報告・連絡体制(危機管理体制)及びその対応方法等を定めます。

処分

通関士及びその他の通関業務の従業者について、法令、社内管理規則に違反があった場合の処分について定めます。

その他

業務手順等の具体的規則の整備通関業務を適正に遂行するための業務手順書の整備等、必要な事項を定めます。

営業所基準

要件を備える営業所とは、許可申請の際、通関士試験合格者を現に雇用しているか、又は通関士試験合格者を雇用することが雇用契約等により確実と認められる場合を言いますが、これには単なる見通しは含まれていません。

必要となる書類

  • 許可申請書(Word)
  • 申請者の資産の状況を示す書面​(決算書)
  • 申請者の住民票の写し又はこれに代わる書面及び履歴書
  • 定款、登記事項証明書並びに役員の名簿及び履歴書(法人)​​ ​​​​
  • 身分証明書(申請者、役員)
  • 宣誓書(Word)(申請者、役員)
  • 通関士となるべき者その他の通関業務の従事者(通関担当役員を含む)の名簿及びこれらの者の​履歴書​​​
  • 申請者が通関業以外の事業を営んでいる場合には、その事業の概要、規模及び最近における​損益の状況を示す書面​​​​
  • 年間において取り扱う見込みの通関業務の量及びその​算定の基礎を記載した書面​​(荷主との契約書、見積書など)
  • その他参考となるべき書面(例)

なお、定款の事業目的に「通関業」との記載がないものであっても差し支えないこととされています。

通関業者の義務

通関業者には、名義貸しの禁止、料金の掲示、秘密を守る義務、信用失墜行為の禁止の義務が課されるほか、通関業者の通関業務を行う営業所ごとに、その営業所において取り扱った通関業務及び関連業務の種類に応じ、通関業務及び関連業務に関して帳簿を設け、その取り扱った件数及び受ける料金を記載するとともに、1件ごとに、依頼者の氏名又は名称、貨物の品名及び数量、通関業務に係る申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の税関官署又は財務大臣への提出年月日、その受理番号、通関業務につき受ける料金の額その他参考となるべき事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する以下の書類をそれぞれ閉鎖の日又は作成の日後3年間保存することとされています。

  • 通関業務に関し税関官署又は財務大臣に提出した申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の写し
  • 通関業務に関し、依頼者から依頼を受けたことを証する書類
  • 通関業務に関する料金の受領を証する書類の写し

異動の届出

通関業者は、通関士その他の通関業務の従業者(通関業務を担当する役員含む)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならないこととされています。

この届出は、通関業務を担当する役員、通関業務を行なう営業所の責任者、通関士及びその他の通関業務の従業者に区分し、かつ、役員以外の者にあっては各営業所ごとに、新たにこれらの者が置かれた場合又はその後これらの者でなくなった場合その他これらの者の区分の間に異動があった場合に、そのつど、これらの者の氏名及びその異動の内容その他参考となるべき事項を記載した届出書を提出することによって行います。

定期報告

通関業者は、毎年4月1日から翌年3月31日までの間に終了する通関業者の事業年度(当該期間内に2以上の事業年度が終了するときは、これらを通じた期間とし、個人である通関業者については、歴年)ごとに、財務大臣に対し、以下の事項を記載した報告書を、翌年6月30日までに提出しなければならないこととされています。

  • 報告期間中に取り扱った通関業務についての種類別の件数及び受ける料金の額
  • 報告期間中における通関業務に関する支出の総額及びその内訳(帳簿上当該支出を分別経理していないときは、合理的推定を加えて計算した支出の総額及びその内訳並びにその計算の基礎)
  • 報告期間の末日における通関業務の用に供される資産の明細
  • その他参考となるべき事項

なお、法人である通関業者が提出する報告書には、報告期間に係る事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添付します。

通関士

通関業者は、通関士試験に合格した者を通関士という名称を用いてその通関業務に従事させようとするときは、その者の氏名、通関業務に従事させようとする営業所の名称、通関士試験合格の年度及びその合格証書の番号その他参考となるべき事項を財務大臣に届け出て、その者が欠格事由に該当しないことの確認を受ける必要があります。

通関士の欠格事由

次のいずれかに該当する者は、通関士となることができません。

  • 心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者として財務省令で定めるもの
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 禁錮以上の刑に処せられた者であって、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過しないもの
  • 次に掲げる法律の規定に該当する違反行為をして罰金の刑に処せられた者又はこれらの規定に該当する違反行為をして関税法、国税通則法若しくは地方税法の規定により通告処分を受けた者であって、それぞれその刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から3年を経過しないもの
    • 関税法第108条の4から第112条まで(他の関税に関する法律において準用する場合を含む)の規定
    • 国税又は地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税又は地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、又はこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定
  • 通関業法の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しないもの
  • 暴力団対策法の規定に違反し、又は刑法に規定する傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
  • 暴力団対策法に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
  • 通関業の許可を取り消された者又は通関業務に従事することを禁止された者であって、これらの処分を受けた日から2年を経過しないもの
  • 公務員で懲戒免職の処分を受け、処分を受けた日から2年を経過しないもの
  • 関税法第108条の4から第112条まで(他の関税に関する法律において準用する場合を含む)の規定に該当する違反行為をした者であって、当該違反行為があつた日から2年を経過しないもの
  • 次に該当する者であって、それぞれの停止の期間が経過しないもの
    • 通関業務の停止の処分を受けた者(処分の基因となった違反行為をした者を含む)
    • 通関業務に従事することを停止された者

通関士は、その名義を他人に通関業務のため使用させることはできません。

通関業許可申請サポート

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手続き登録免許税報酬額合計額
通関業許可申請90,000円176,000円〜246,000円〜
定期報告書作成無し44,000円~44,000円~
※税込み

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