海と船のエトセトラ
日々海事にまつわるトリビアを発信していると、ありがたいことにSNSのフォロワー様からも「こんな面白い話しもありますよ!」といったネタを逆に提供していただける機会が増えてきました。
そこで今回は皆さまからいただいたネタを含め、海や船にまつわる小ネタ集を披露していきたいと思います。
(※)当事務所は海事代理士事務所です。おハガキ紹介コーナーのラジオDJではありません。
ダブルのスーツ
ダブルスーツとは、フロントボタンが縦2列に並んで仕立てられたスーツのことです。コート類と同じくその起源はイギリスの海軍にあるとされています。
実はこの形状、海上で活動するときに冷たい風が入らないように、右前でも左前でも合わせれるように工夫したものが始まりだといわれています。(諸説あり)
イギリスの海軍はこの手の海のトリビアでは常連ですね。レジェンドです。レジェンド。
トラッカーは海がお好き?
トラックは「舟」、愛称は「〇〇丸」又は「〇〇號」、長距離運行は1航海(イチコウカイ、ワンコウカイ)など、どうやらトラッカーは海にちなんだ用語がお好きなようです。そういえば側面に大波の描かれた大型トラックに乗る姿もイメージにぴったりです。
海沿いを走ることも多いでしょうし、自然と海を受け入れるようになったのかもしれませんね。
船と艇と舟の違い
船舶をさすとき、一般的には「船」で表示することが多いですが、「船」には非戦闘艦艇あるいは「他よりも大型なフネ」という意味合いもあります。そして「艇」は比較的小型の船を、「舟」は小型の船をさすのが一般的です。ちなみに「艦」は戦闘艦艇をさします。
これを並べてみると、艦>船>艇>舟といった並びになりそうですが、公式な使い分けではないので、一概にこの関係性が正しいわけではありません。
船の煙突(ファンネル)
こどもに船の絵を描いてもらったら、高確率で煙突をつけてくれるのではないかと思います。確かに煙突は船にとってシンボルのひとつですが、実はそのほとんどが飾りだということはご存じでしょうか?
現代の船舶では煙突が本来の排気の役割を果たすことはほとんどなく、客船などでは中が展望台になっているということも珍しくありません。それでもあの煙突がついている理由は、まさに飾りとして使用するためです。
ひとつには外見上のバランスの問題がありますが、もうひとつの理由はファンネルマークといわれる各船会社独自のマークをつけることで遠くからでも見分けがつくようにするためです。
いずれにせよ今も昔も煙突が船のシンボルであることは間違いないようです。
人間ドックの語源
人間ドックは精密検査をともなう健康診断の一種ですが、名称にある「ドック」とは、船渠(船を修理・点検するための設備)のことをさしています。つまり人間ドックとは、まさに人間を設備内で点検することを意味します。
決して人間を「犬」に見立てて、くまなく検査する「人間ドッグ」ではございませんのでご注意ください。
まとめ
これだけ毎日調べていると、起源を海に持つ文化や伝承が思った以上に多いことがよくわかります。そういえば日本神話のはじまりも海。まさに「母なる海」ですね。
また面白いネタをお待ちしています^^