許可漁業とは│許可が必要となる漁業について

漁港

漁業法では、限りある水産資源の乱獲を防止しその保護を図るため、漁業について免許制や許可性を採用して調整を行っています。許可漁業とは、このような公益上の目的から一般には禁止している漁業(沖合・遠洋漁業一般)について、漁船規模、漁区、漁期等の制限条件のもとで、特定の者に限り許可を与え、操業することを認めた漁業のことを指します。特許的な意味合いのある「漁業権漁業(免許漁業)」とは異なり、行政による取締りを主な目的とする制度であるものと解されています。

漁業権制度及び漁業許可制度の概念図

沿岸の定着性の高い水産資源を対象とした採貝・採藻等の漁業、一定の海面を占有して営まれる定置網漁業や養殖業、内水面漁業等については、地域ごとの実情に即し、都道府県知事が漁業協同組合やその他の法人等に漁業権を免許する「漁業権漁業」が行われています。

一方、より漁船規模が大きく、広い海域を漁場とする沖合・遠洋漁業については、資源に与える影響が大きく、他の地域や他の漁業種類との調整が必要な場合もあることから、漁船隻数や総トン数の制限(投入量規制)を行い、農林水産大臣又は都道府県知事が必要に応じて操業期間・区域、漁法等の制限又は条件(技術的規制)を付して許可を与える「許可漁業」が行われています。

許可漁業は、農林水産大臣が省令により許可を与える大臣許可漁業(旧指定漁業)と、都道府県漁業調整規則に基づいて行われる知事許可漁業に大別されています。このほか、資源状況等を把握する等のため、国土交通大臣に対して届出を行う「届出漁業」も行われています。

漁業権漁業定置漁業、区画漁業及び共同漁業の免許を受けて営む漁業
許可漁業大臣許可漁業政令で指定された沖合・遠洋漁業について国土交通大臣が許可を与えて営まれる漁業
知事許可漁業地域的な漁業や、やや小規模、かつ近海・沖合での地元漁場を対象として都道府県知事が許可を与えて営まれる漁業
届出漁業資源状況等を把握する等のため、国土交通大臣に対して届出を行う漁業
自由漁業農林水産大臣又は都道府県知事による免許、許可及び届出が不要な漁業
大臣許可漁業(旧指定漁業)

政令で指定された以下の17業種の漁業を営もうとする者は、船舶ごとに農林水産大臣の許可を受ける必要があります。原則として5年に一度の一斉更新制が採用されており、水域や漁船規模等の内容はすべて省令で定められています。

大臣許可漁業の種類
知事許可漁業

都道府県知事は、漁業の取締りや調整を目的として、水産動植物の採捕や販売等、並びに漁具・漁船についての禁止事項や制限、及び漁業者の数や資格制限等の規制並びに罰則等を漁業調整規則として定めています。知事許可漁業とは、この漁業調整規則に基づいて都道府県知事が許可を与えた漁業のことを指します。

地域的な漁業や、やや小規模、かつ近海・沖合での地元漁場を対象として許可を与えるもので、地域ごとに業種や表記もまちまちであるケースがほとんどです。

大臣許可漁業以外の漁業の種類
起業の認可

漁業許可を受けようとする者であって現に船舶を使用する権利を有しないものは、船舶の建造に着手する前又は船舶を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他船舶を使用する権利を取得する前に、船舶ごとに、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができます。認可を受けた者が認可に基づいて許可を申請した場合において、申請の内容が認可を受けた内容と同一であるときは、農林水産大臣は、原則として許可をしなければならないものとされています。

つまり起業の認可とは、いわば「許可の予約」に近い役割を果たす制度であって、これにより船舶を使用する権限を有していない状態であっても、事後的に船舶の使用権を取得することで、大臣許可漁業をスムーズに開始又は再開することができるような仕組みになっています。

まとめ

大海とはいえ水産資源は有限です。このため漁業法においては、水産資源の持続的な利用の確保を図ることを目的として、漁業の許可及び免許に関する制度その他の漁業生産に関する基本的制度を定めています。

許可漁業制度は、権利的な側面がある一方で、同時に責任を明確にして義務を負わせるための制度でもあります。国民に対して水産物を供給するという使命の実現のためには、これはいたしかたない規制かもしれません。

いずれにせよ、漁業が持続的に発展するためには国民全体で共通意識を持つことが必要です。まずは遵法精神に則ったうえで、基本的制度についてしっかりと把握することを心がけるようにしましょう。

事務所の最新情報をお届けします

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA