関税を学ぼう│関税に関する基本的事項について

講師

海上運送業や通関業には、関税の知識が不可欠です。もちろん海事代理士にとっても、重要な基礎知識のひとつであることは間違いありません。そこで本稿では、はじめて関税に接する方のために、関税法を下敷きにして、関税の全体像についてご案内させていただきたいと思います。

用語の解説

関税を学ぶ上で重要となる用語の定義について解説します。いずれも関税法において頻出する用語なので、まずはしっかりと確認するようにしましょう。

輸入外国から日本に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む)又は輸出の許可を受けた貨物を(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て)日本に引き取ること
輸出内国貨物を外国に向けて送り出すこと
外国貨物輸出の許可を受けた貨物及び外国から日本に到着した貨物(外国の船舶により公海(日本の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含む)で採捕された水産物を含む)で輸入が許可される前のもの
内国貨物日本にある貨物で外国貨物でないもの及び日本の船舶により公海で採捕された水産物(日本の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含む)
附帯税関税のうち延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税
外国貿易船外国貿易のため日本と外国との間を往来する船舶
外国貿易機外国貿易のため日本と外国との間を往来する航空機
特殊船舶等日本と外国との間を往来する船舶又は航空機で外国貿易船又は外国貿易機以外のもの(公用船、公用機、外国の軍艦及び軍用機並びに海上における保安取締り及び海難救助に従事する公用船を除く)
沿海通航船日本と外国との間を往来する船舶以外の船舶
国内航空機日本と外国との間を往来する航空機以外の航空機
船用品燃料、飲食物その他の消耗品及び帆布、綱、什器その他これらに類する貨物で、船舶において使用するもの
機用品航空機において使用する貨物で、船用品に準ずるもの
開港貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める港
税関空港貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易機の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める空港
不開港港、空港その他これらに代り使用される場所で、開港及び税関空港以外のもの

みなし輸入

外国貨物が輸入される前に日本において使用され、又は消費される場合には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該貨物を輸入するものとみなします。

これはたとえば、保税地域に蔵置されているお酒を飲んでしまったケースなどが該当し、この場合はお酒を飲んでしまった者がお酒を「輸入」したものとみなされ、その者には納税義務が課されることになります。

ただし、以下のいずれかに該当する場合にはこの規定は適用されず、したがって外国貨物を使用又は消費したとしても輸入したものとはみなされません。

  • 保税地域において関税法により認められたところに従って外国貨物が使用され、又は消費される場合
  • 日本と外国との間を往来する船舶(船用品を外国貨物のまま積み込むことができる遠洋漁業船等として財務大臣が指定する船舶を含む)又は航空機に積まれている外国貨物である船用品又は機用品を当該船舶又は航空機においてその本来の用途に従って使用し、又は消費する場合
  • 旅客又は乗組員がその携帯品である外国貨物をその個人的な用途に供するため使用し、又は消費する場合
  • 税関職員の権限により税関職員が採取した外国貨物の見本を当該貨物について検査のため使用し、若しくは消費する場合又は食品衛生法、植物防疫法その他の法律の規定により権限のある公務員が収去した外国貨物をその権限に基づいて使用し、若しくは消費する場合

関税とは

輸入貨物(信書を除く)には、関税法及び関税定率法その他関税に関する法律に基づき、関税が課されます。ただし、条約中に関税について特別の規定があるときは、この規定が優先されます。

関税は、一般に「輸入品に課される税」として定義されています。 国税の一種であり、他の租税同様に、その収入は国庫収入となります。昔ほどではないにせよ、関税は国家の財源として重要な位置を占めています。その一方で、関税が課せられると、その分コストが増加して国産品に対する競争力が低下することから、関税には国内産業を保護するという機能も備わっています。

税関とは

税関とは、関税及び内国消費税等の徴収、輸出入貨物の通関、密輸の取締り、保税地域の管理などを主たる目的及び業務とする国の行政機関です。税関は以下3つの役割を担い、国内関係機関や関係業界、さらには各国の税関や国際機関などと連携・協力しながら、適正な税関行政の運営を行います。

安全・安心な社会の実現

銃器・不正薬物等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、日本国内におけるテロ行為等を未然に防止することをその使命としています。

適正かつ公平な関税等の徴収

関税は国税収入の約1割に相当します。税関は歳入官庁として、この関税を適正かつ公平に徴収します。

貿易の円滑化

国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化します。

保税地域とは

保税とは、関税の徴収を一時留保することを言います。また保税地域とは、外国から輸入された貨物を、税関の輸入許可が下りていない状態で関税を留保したまま蔵置することができる場所のことを指します。このような性質上、保税地域は主に港湾や空港等の近くに設けられ、貨物船や飛行機から下ろされた貨物は、通関を完了するまでの間、或いは輸出される貨物が税関手続きが終了するまでの間、蔵置されることになります。

指定保税地域

国や地方公共団体などが管理する公共施設について、財務大臣が指定して設置される地域のことを指します。指定保税地域では、外国貨物を積卸し、運搬し、又は原則として1か月間蔵置することができますが、長期間貨物を蔵置することや、指定業者が独占的に使用することは認められません。また、複雑な加工や製造をして貨物の性質を変えるようなこともできません。

保税蔵置場

保税蔵置場とは、外国貨物を置くことができる場所として、税関長が許可した場所のことを指します。ここでは外国貨物を積卸し、又は原則2年あいだ蔵置(延長可能)することが認められており、その間は関税などの税金は課税されません。

保税工場

保税工場とは、外国貨物について関税などを賦課しないままで加工又は製造できる場所として税関長が許可した場所をいいます。加工又は製造の期間は原則として2年とされていますが、作業の都合によっては、更に期間を延長することも認められます。この期間中は、関税などがかからないので、この間に外国貨物に加工、製造を加えて、製品を外国に送り出すことになります。

保税工場で加工、製造されている主な製品としては、魚介類の缶詰、菓子、鋼材、電線、船舶、自動車、精密機械、土木機械、工作機械、石油製品、繊維、農薬、化学製品、フィルムなどがあります。

保税展示場

外国貨物を展示する会場として、税関長が許可した場所を保税展示場といいます。国際的な規模で行われる博覧会や公的機関が行う外国商品の展示会などの運営を、簡易な手続きにより円滑に薦めるために設けられたものです。

総合保税地域

保税蔵置場、保税工場、保税展示場が有する外国貨物の蔵置、加工、製造、展示などの各種機能を総合的に活用できる地域として、税関長が許可した場所をいいます。総合保税地域では、地域内において様々な機能を有する各種施設を弾力的に配置することができるため、地域内の各施設の間では、手続きを経ることなく外国貨物の移動ができるなど、手続きの簡素化が図られることになります。

種類主な機能蔵置期間設置の手続
指定保税地域外国貨物の積卸し、運搬、一時蔵置コンテナヤード1か月財務大臣の指定
保税蔵置場外国貨物の積卸し、運搬、蔵置倉庫、上屋2年
(延長可)
税関長の許可
保税工場外国貨物の加工、製造造船所、製鉄所、製油所2年
(延長可)
税関長の許可
保税展示場外国貨物の展示・使用博覧会、博物館、東京モーターショー税関長が必要と認める期間税関長の許可
総合保税地域保税蔵置場、保税工場、保税展示場の総合的機能中部国際空港2年
(延長可)
税関長の許可

課税物件

課税物件とは、関税を課する場合の基礎となる貨物の性質及び数量のことを指します。貨物は、時間の経過によって性質及び数量に変化が生ずることがあります。たとえば、お酒なんかは蒸発して少なくなってしまうことがあります。つまり、貨物に対して具体的に「いつの時点で関税を課すか」という具体的なルール設定が必要になります。 (課税物件の確定の時期)

併せて、「どの時点での税率が適用されるか」というルールについても、明確に設定する必要があります。(適用法令)

課税物件は、原則として貨物の「輸入申告の時」における現況によるものとされています。つまり、「課税物件の確定の時期」は「貨物の輸入申告の時」ですし、「適用法令」も「貨物の輸入申告の時における税率」が適用されるのが原則的な取扱いになります。

課税物件の確定の時期いつの時点で関税を課すか貨物の輸入申告の時
適用法令どの時点での税率が適用されるか貨物の輸入申告の時

ただし、これはあくまでも原則的な取扱いであって、実際には次に説明するようにいくつか例外が存在しています。

課税物件の確定の時期

貨物の種類確定時期
保税蔵置場又は総合保税地域に置かれた外国貨物保税蔵置場又は総合保税地域に置くことが承認された時
ブランデー、フルーツブランデー、ウィスキー、グレインスピリッツのうちアルコール分が50%以上のもの(2l未満の容器入りにしたものを除く)、ラム及びタフィア (2l未満の容器入りにしたものを除く)については、輸入申告の時
総合保税地域において外国貨物の積卸し、運搬、蔵置若しくは内容の点検、改装、仕分その他の手入れ又は外国貨物の展示若しくはこれに関連する使用(これらの行為のうち政令で定めるものに限る)がされたものについては、輸入申告の時
税関に届け出て廃棄したものについては、廃棄後の輸入申告の時
保税工場又は総合保税地域における保税作業による製品である外国貨物貨物の原料である外国貨物につき、承認がされた時
指定された場所に指定された期間を経過した後置かれている外国貨物許可がされた時
保税展示場又は総合保税地域に入れられた外国貨物のうち、保税展示場又は総合保税地域における販売又は消費を目的とするもの承認がされた時
保税展示場において外国貨物に加工し、又はこれを原料として製造して得た製品(展示、使用その他の理由により価値の減少があった製品で税関長の承認を受けたものを除く)届出がされた時
保税展示場又は総合保税地域において有償で観覧又は使用に供される貨物承認がされた時
保税展示場又は総合保税地域の展示館、事務所その他の施設の建設又は撤去のため使用される機械、器具及び装置(運搬用機器を含む)届出がされた時
保税展示場に入れられた外国貨物で関税を徴収されるもの関税を徴収すべき事由が生じた時
保税地域にある外国貨物又は税関長の許可を受けた外国貨物で、亡失し、又は滅却されたもの亡失又は滅却の時
積込みの承認を受けて保税地域から引き取られた船用品若しくは機用品で、指定された積込みの期間内に船舶若しくは航空機に積み込まれないもの又は運送の承認を受けて運送された外国貨物で、指定された運送の期間内に運送先に到着しないもの積込み又は運送が承認された時
一括して積込みの承認を受けた場合は承認に係る外国貨物が保税地域から引き取られた時
一括して運送の承認を受けた場合は承認に係る外国貨物が発送された時
特定保税運送に係る外国貨物又は届け出て運送された郵便物で、期間内に運送先に到着しないもの外国貨物又は運送に係る郵便物が発送された時
輸入申告がされた貨物であって、輸入の許可を受けたもの輸入の許可の時
提示がされた郵便物提示がされた時
収容され、若しくは留置された貨物、差押物件又は領置物件で、公売に付され、又は随意契約により売却されるもの公売又は売却の時
輸入の許可を受けないで輸入された貨物又は提示がされないで輸入された郵便物輸入の時

保税工場又は総合保税地域における保税作業による製品である外国貨物(保税製品)が輸入され、かつ、保税製品の製造に使用される原料である外国貨物(保税原料)が特定していない場合における保税製品についての関税の課税標準となる数量又は価格は、以下のとおりです。

輸入される保税製品の製造に係る保税作業において使用された保税原料の数量が明らかな場合保税原料の数量を輸入される保税製品と保税作業において製造された他の保税製品との数量によりあん分して計算した輸入される保税製品に対応する保税原料の数量又は数量の保税原料の価格
同一の製造工程である保税作業により同一の保税原料から2種類以上の保税製品が製造される場合保税作業において使用された当該保税原料の数量又は価格を保税作業により製造された各保税製品の価額(保税作業により製造された保税製品に係る最初の輸入申告の際において保税製品又はこれと同種の貨物が日本において通常の卸取引の量及び方法により販売される価格から、保税製品又は同種の貨物に係る内国消費税の額及び地方消費税の額を控除した金額)によりあん分して計算した輸入される保税製品に対応する保税原料の数量又は価格
保税工場における輸入される保税製品と同種の貨物の製造歩留まり(製品の製造に使用される原料の数量に対する製品の数量の割合)が明らかであるとき製造歩留まりを基礎として計算した、輸入される保税製品に対応する保税原料の数量又は価格
保税工場における2以上の製造工程について保税作業が行われる場合各製造工程について上記の規定に準じて計算して求めた、輸入される保税製品に対応する最初の製造工程において使用された保税原料の数量又は価格

適用法令

関税を課する場合に適用する法令(税率)は、原則として輸入申告の日において適用される法令によります。ただし、以下の貨物については、それぞれについて以下に定める日において適用される法令によります。

貨物の種類適用法令
指定された場所に指定された期間を経過した後置かれている外国貨物許可がされた日
保税展示場に入れられた外国貨物で関税を徴収されるもの関税を徴収すべき事由が生じた日
保税地域にある外国貨物又は税関長の許可を受けた外国貨物で、亡失し、又は滅却されたもの亡失又は滅却の日
積込みの承認を受けて保税地域から引き取られた船用品若しくは機用品で、指定された積込みの期間内に船舶若しくは航空機に積み込まれないもの又は運送の承認を受けて運送された外国貨物で、指定された運送の期間内に運送先に到着しないもの積込み又は運送が承認された日
一括して積込みの承認を受けた場合は承認に係る外国貨物が保税地域から引き取られた日
一括して運送の承認を受けた場合は承認に係る外国貨物が発送された日
特定保税運送に係る外国貨物又は届け出て運送された郵便物で、期間内に運送先に到着しないもの外国貨物又は運送に係る郵便物が発送された日
輸入申告がされた貨物であって、輸入の許可を受けたもの輸入の許可の日
提示がされた郵便物提示がされた日
収容され、若しくは留置された貨物、差押物件又は領置物件で、公売に付され、又は随意契約により売却されるもの公売又は売却の日
輸入の許可を受けないで輸入された貨物又は提示がされないで輸入された郵便物輸入の日
輸入の申告がされた後、輸入の許可がされる前の貨物輸入の許可の日
輸入の申告がされた後、輸入許可前貨物の引取承認がされる前の貨物輸入許可前引取が承認された日
輸入許可前貨物の引取承認がされた後、輸入許可がされる前の貨物輸入申告の日

税額の確定の方式

申告納税方式原則税金を納める時に自分で納めるべき金額を計算して納税する方式
賦課課税方式例外納付すべき関税額が専ら税関長の処分により確定する方式

延滞税については、特別の手続きを経ることなく、法定納期限(過大に払戻し又は還付を受けた関税については、その払戻し又は還付を受けた日)の翌日から関税額を納付する日までの日数に応じて計算した金額に相当する延滞税(年7.3%)が併せて賦課されることになります。

申告納税方式

申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、貨物の品名並びに数量及び価格(特例申告貨物を除く輸入貨物については、課税標準となるべき数量及び価格)その他必要な事項を記載した輸入申告書を税関長に提出することによって申告を行います。税関は、納税義務者その他の関係者から申告について必要な輸入貨物に係る関税定率法別表(関税率表)の適用上の所属、税率、課税標準等の教示を求められたときは、適切な教示に努めるものとされています。

期限内特例申告

貨物を輸入しようとする者であって、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(特例輸入者)又は貨物の輸入に係る通関手続を認定通関業者に委託した者(特例委託輸入者)は、申告納税方式が適用される貨物について、貨物に係る課税標準、税額その他必要な事項を記載した申告書(特例申告書)を税関長に提出することによって、申告を行うことができます。(輸入数量が輸入基準数量を超えた豚肉等及び修正対象物品を除く)

特例申告を行う場合は、特例申告に係る貨物(特例申告貨物)で輸入の許可を受けたものについて、特例申告書を作成し、許可の日の属する月の翌月末日までに当該許可をした税関長に提出する必要があります。

なお、輸入申告に併せて申告を行っていない特例輸入者又は特例委託輸入者は、輸入申告に係る貨物については、特例申告を行うことを選択したものとみなされます。

期限後特例申告

特例輸入者又は特例委託輸入者でその特例申告に係る特例申告書をその提出期限までに提出していない者は、その提出期限後においても、決定があるまでは、その期限内特例申告書に記載すべきものとされている事項を記載した特例申告書を税関長に提出することができます。

承認の要件

特例申告の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称、承認の要件の事実並びにその他参考となるべき事項を記載した承認申請書を税関長に提出して申請を行います。

税関長は、特例申告の承認申請書の提出があった場合において、次のいずれかに該当するときは、承認をしないことができます。

  • 承認を受けようとする者が次のいずれかに該当するとき
    • 関税法その他の国税に関する法律の規定に違反して刑に処せられ、又は関税法(他の関税に関する法律において準用する場合を含む)若しくは国税通則法の規定により通告処分を受け、それぞれ、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から3年を経過していない者であるとき
    • 上記の法律以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者であるとき
    • 暴力団対策法に違反し、又は刑法に規定する傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫若しくは背任の罪若しくは暴力行為等処罰法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者であるとき
    • 暴力団対策法に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過していない者であるとき
    • その業務について上記に該当する者を役員とする法人であるとき、又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であるとき
    • 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であるとき
    • 承認の申請の日前3年間において関税又は輸入貨物に係る消費税若しくは地方消費税について、重加算税を課されたことがある者であるとき
    • 承認の申請の日前3年間において関税又は輸入貨物に係る内国消費税若しくは地方消費税を滞納したことがある者であるとき
    • 承認を取り消された日から3年を経過していない者であるとき
  • 承認を受けようとする者が、特例申告を電子情報処理組織を使用して行うことその他特例申告貨物の輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していないとき
  • 承認を受けようとする者が、特例申告貨物の輸入に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていないとき
担保の提供

税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税の保全のために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特例輸入者又は特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税等につき担保の提供を命ずることができます。また、必要があると認めるときは、さらにこの金額又は期間を変更することもできます。

賦課課税方式

以下の関税は、税関長の処分によって納付すべき税額が確定されます。賦課決定された関税については修正申告、更生の請求を行うことはできず、賦課決定された関税について不服がある場合には、不服申立制度を利用します。また、賦課決定した関税について税関長が課税標準または納付すべき税額が過大または過少であることを知った時は、調査によりこれらを変更する決定を行います。

  • 日本に入国する者が入国の際に携帯して輸入し、または別送して輸入する貨物等にかかる関税(商業量に達するものは申告納税方式により決定)
  • 郵便物(20万円以下の物品または寄贈品)に対する関税
  • 相殺関税及び不当廉売関税
  • 関税法または関税定率法その他の関税に関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされる関税賦課課税方式が適用される関税
  • 関税法または関税定率法以外の関税に関する法律の規定により税額の確定が賦課課税方式によるものとされている関税
  • 過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税

まとめ

関税制度は、国民の日常生活にも多大な影響を与える国の重要事項です。消費者目線で捉えても、たとえば牛肉や果物の値段を高低させるなど、家庭経済にも大きく関わっています。したがって、関税は国家同士のルールという認識ではなく、国民全体の問題として捉えることが肝要です。本稿では関税の概要に触れたに過ぎませんが、皆さまが興味を持って関税について考えるきっかけになったのであれば幸いです。

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